UR3によって生まれた、楽しいこと大好きロボット「MYRO」
フランスのインタラクティブ・デザイン会社Nokinomo社が、楽しいことが大好きなロボット「Myro」を誕生させました。イルドフランス地域圏議会がプロジェクトを公募した「Innov’UP Proto」で勝ち抜いたMyroは、2017年6月、パリのラヴィレット公園にあるグランダールで初公開され、大きな話題を呼びました。
ユニークな構造の新ジャンル
Nokinomoを創業したエマニュエル・ジュールド氏とパトリック・シモネ氏は、Universal Robotsのフランスでの販売代理店Sysaxesのエリック・プルトー氏と協力しながら作業を進めました。彼らはまず、コネクテッド化が著しく進んだ今日の世界で注目を集めることは極めて難しくなっている、というところから構想をスタート。そして、知性と圧倒的な魅力があり、周りの人々を楽しい気分にさせながら豊かで多様なやりとりができるデバイスを思い描きました。そうして生まれたのがMyroです。Myroの透明なデジタルタッチスクリーンの後ろにはUR3のロボットアームがあり、スマートカメラ、サウンドシステム、人工知能プログラミングも備えています。
楽しいことが大好きなロボットMyroー楽しいことが大好きで、感情によってユーザーのエクスペリエンスを高めるロボットMyroが動く姿をご覧ください。出会ったら忘れることなんてできません。名前はスペインの有名な画家からとりました。ある方法で間違って触るといたずらっぽくウィンクします。何よりもMyroはそれ自身、いきいきとした感情と性格を持ったロボットなのです。
人間がそばにやって来ると、透明のキャビンの中のURコボットがアノニマス認識技術を使ってそれを感知し、喋ったり、歌ったり、踊ったり、動き回ったり、すねたりなど、さまざまに反応します。Myroとユーザーを隔てる透明なスクリーンは表現や会話のインターフェース。このスクリーンにMyroが絵を描いたり、字を書いたり、動画を映したりします。
それだけではありません。訪れる人もタッチスクリーンを使って遊んだり描いたりして、ロボットとやりとりができるのです。
関係が築かれ、感情が生まれる
いろいろなやり方で気を引こうとするMyroのことはなかなか無視できません。誰かが来るとカメラでそれを認識し、やりとりしようとチャーミングに誘いかけます。「三目並べ」で遊ぼうか?案内や情報が必要?のんびりしたいの?それともただちょっと気になっただけ?Myroは、互いにやりとりをしたり、相手に思考させたりといった、いろいろな楽しいアクティビティやサービスを提供します。
水彩絵具でらせんを描いて芸術的な側面を見せたかと思えば、近くにあるものを「口」にくわえて自慢げに観客に見せることも。情報は拡張現実を通じ透明スクリーン上に表示されます。Myroは嬉しい、悲しいなどの感情を表現し、時には勝負に負けてすねることも、突っ伏して寝たふりをすることもあります。Myroに感情があるので人間とのやりとりはより豊かなものになります。人間はMyroがすねれば心が動き、Myroに話しかけ、反応を楽しみ、その経験を他の人と分かち合います。
Myroは「三目並べ」が得意なだけでなく、なかなかの芸術家でもあります
楽しいこと大好きロボットのMyroなら、交流したい気持ちが満たされる
Myroは、長い待ち時間が生じる場所や、情報提供や案内、娯楽が必要となる公共の場所で使われるために作られました。Myroはそれぞれのニーズに合わせカスタマイズして応用できます。
Myroが活躍できそうな場面はたくさんあります。例えば鉄道の駅や空港で、利用者の待ち時間をもっと快適にするために。ショッピングセンターはMyroを使ってブランドや製品を紹介したり、楽しいアクティビティを提供したりして、客数やリピーターの拡大につなげることもできます。博物館では所蔵品の紹介、行列の整理、案内などにも使えるでしょう。