ロボットが、生産性を大幅に向上させるツールだということは広く知られています。しかしながら、高度な創造性を求められる分野においてもロボットが果たせる役割があり、その技術や潜在能力に対する私たちの見方を変えてしまうこともある、ということはあまり知られていないかもしれません。
とはいえ、ロボットが技術や産業以外の分野で使われる場合、従来の用途よりも一層厳しい条件が課せられます。極めて近くまで寄れること、柔軟性があること、ユーザーフレンドリーであること、プログラムが簡単であることが求められます。Universal Robotsは革新的な制作会社が求める条件をすべて満たし、デザイナーがロボットと共に目を見張るような作品を生み出すことができたのです。
スペインのマドリッドにあるエスパダイサンタクルツ・スタジオはデジタル技術およびストーリー制作のノウハウを駆使して、臨場感あふれる音声・映像作品を制作する、多彩な創造性に富んだ制作会社です。
エスパダイサンタクルツは日本の資生堂から依頼されたスキンケアの新ブランド”WASO"の広告キャンペーン制作に取り組んでいました。
このブランドは「和食」の伝統に基づき、トータルケアと自然をイメージして誕生したもので、広告の基本コンセプトは「自然から生まれるものは全てが美しい」というもの。資生堂がターゲットとする消費者層は若く、先進技術にも慣れ親しんでいるため、そうした要素にマッチする魅力的な短編ビデオを作ることが目標でした。
エスパダイサンタクルツのデザイナーは、ロボットと華麗な草花のタイムラプス写真という、一見不釣り合いな組み合わせを選びました。その結果、協働ロボットアームのなめらかで精密な動きと、草花の形・色・躍動感という、技術と自然の素晴らしいコントラストが描き出されました。
エスパダイサンタクルツはURのロボット2台を採用し、映像制作技術によって、ロボットが自然を体験するというビデオを作成しました。コンパクトで軽量なUR3ロボットが、浮遊する島を映した画面の中でカメラを操りながら動き回ります。草花の微細な動きを捉えるため、ロボットはゆっくりとなめらかに、そして精密に動きます。その速度は24時間でわずか1~2メートル。
2台目のロボットはより大きなUR10。ビデオには「クリエイター」、すなわちこの世界の創造主として登場します。
UR10は、尖ったセンサーと3Dプリンターを操って、自然界で出会ったものの色や質感を描き出して、驚くような新しい島を作り出します。ロボットの動きは精密かつなめらかで、自然界の繊細な動きを正確かつ完璧に再現します。
ロボットが作りだす島が完成すると、資生堂の新しいスキンケアブランドWASOのメタファーとしての命が与えられます。WASOは原材料にニンジン、ビワの葉、ハチミツ、豆腐、白キクラゲなどを用いた、肌の若々しさを保つ製品です。
エスパダイサンタクルツに協力したURの南欧・中東・アフリカ担当マーケティングマネージャー、ヴァンサン・シャヴィは、今回の資生堂プロジェクトでエスパダイサンタクルツのデザイナーが、ロボットに関わる技術サポートを一切必要としなかったことを引き合いに出し、URコボットがいかにクリエイティブ分野への応用が簡単だったかを強調しています。
「このロボットはプログラムが容易で、トレーニングなしでもお客様ご自身で様々な面白い試みができます。URアカデミーでは、中小企業のどなたでもロボットの使い方を素早く理解いただけます。プログラミングの心配をする必要はありません」
エスパダイサンタクルツのCEOでクリエイティブ・ディレクターのネレア・ゴイコネチェア女史はURコボットの感想をこのように述べました。「ロボットを使うのはいつもチャレンジです。でもUniversal Robotsとコラボレーションしてみて、URのロボットアームがいかにシンプルで数多くの用途に応用できるかが分かりました。私たちのロボットの冒険はまだ始まったばかりです」