手の届くところにあるロボット

ロボットアームの発明者とその継続的な開発

作成者: Universal Robots|2020/02/21 7:14:06

世界で最初にロボットを開発したのは誰?

「ロボット」という単語は約100年前、チェコの劇作家が1920年代の自身のヒット作で世に広めました。この言葉の起源は、強制労働や隷属を意味する古いスラブ語、rabotaです。劇中では、Rossum’s Universal RobotsR.U.R.)という会社がバイオテクノロジーを活用して人工の労働者を作り出しましたが、それは今日の機械式ロボットとはかけ離れたものです。この劇は広く愛されましたが、最初の本物のロボットが発明される1954年までにはそれから30年以上の時間を要しました。プログラム可能なロボットアームの特許出願において、George Devol氏は、物品を動かすようにプログラム可能というその装置の機能に言及し、装置を「Programmed Article Transfer(プログラム可能な物品搬送装置)」と説明しました。

運命を決する出会いがなければ、ロボットの歴史は劇的に違ったものになっていたかもしれません。1956年のカクテルパーティーで、George Devol氏とJoseph Engleberger氏はサイエンスフィクションと起業家精神への愛で意気投合し、ビジネスパートナーとなりました。このことがロボット工学の未来を劇的に変えたのです。

Engelberger氏は現在、ロボット工学の父として広く知られています。彼の導きにより、ロボットという単語が使われるように、そして人間には危険な作業をさせるため製造業でロボットが用いられるようになったのです。

 

左はJoseph Engelberger氏、右はGeorge Devol氏(1960年)

 

最初のロボットアームはいつ、何のために作られたか?

Devol氏およびEngleberger氏により作られた最初のロボットアームは1959年に誕生し、Unimate #001と名付けられました。1961年にDevol氏はロボット発明の特許を取得し、彼とEngelberger氏は世界発のロボットの会社、Unimation(ユニバーサルオートメーションの略語)社を設立しました。最初のロボットはニュージャージー州のGeneral Motors社の工場にホットダイカストマシンのサポート用として導入されました。Unimation社はさらに、急速に成長する自動車業界における溶接やその他のアプリケーションをサポートするロボットも開発し、1966年までにはフィンランドのNokia社、日本の川崎重工業株式会社にUnimateの製造および販売ライセンスを付与し、グローバル市場にプログラム可能なロボットアームの使用を広めました。

 

最初のロボットが発明された理由

最初のロボットは材料を移動させる汎用的な機械として開発されましたが、Engelberger氏とDevol氏は製造におけるロボットの価値を見通していました。ロボットによる自動化の最大の市場は現在も自動車業界ですが、電子機器アセンブリ、ライフサイエンス、飲食物、金属およびプラスチックの製造などその他の業界においても、自動化への取り組みの一環としてロボットの導入は急速に進められています。

Engelberger氏はまた、人へのサービスに様々な方法でロボットを活用することにも興味を持っていました。例えば、特に興味を惹かれていたのがサービス業界や医療業界でのロボット工学の活用です。

 

今日のロボットの種類:

製造業界では従来型のロボットが多く活用されています。しかし今や、プログラム可能なロボットアームで最も急速に成長しているカテゴリは、協働ロボット(コボット)です。この新しいカテゴリは2008年にユニバーサルロボットにより開拓され、ロボットの歴史を永遠に変えました。自動化における安全性の革新のおかげでロボットを安全柵の中に隔離しておく必要がなくなり、ロボットは今、その歴史の中で初めて、人間の労働者と直接的に協力しながら仕事をしています。

ユニバーサルロボットは年間50~100%の急速かつ継続的な成長を遂げている、協働ロボット市場のリーダーです。

UR10産業用協働ロボットアーム

 

協働ロボットアームは従来型の産業ロボットとはいくつかの重要な特性において異なり、それぞれ、用途に応じて利点と欠点があります。例えば、従来型のロボットは高速で非常に高い精度で大量の、変化のない生産ラインを動かす、一般的に大きく、固定された装置です。

このようなロボットは通常、統合やプログラムが複雑ですが、一度設置が完了すれば人間はほとんど関わらなくて済みます。協働ロボットはより小さく軽量で柔軟な自動化ツールで、ロボット工学の経験がなくても簡単にプログラムできます。

協働ロボットアームは、少量や多品種の生産用に簡単に再展開することもできます。反復作業(自動化が理想的)とより複雑な作業(人間の器用さや問題解決を必要とする)が入り混じった生産アプリケーションにおいて、人間の労働者のそばで働くことができるよう設計されています。