自動化の進んだ自動車メーカーの大きな工場でもTier1でも、協働ロボット(コボット)は生産性と品質の向上、コスト削減、利益拡大に貢献し、効率的に競争力アップを実現します。またコボットは、作業員にとってより安全で、エルゴノミクスにかない(つまり人間工学的に使いやすく)、満足度の高い労働環境を提供するという点で、今日の労働問題解決にも役立ちます。それにより定着率も上がり会社は労働者からより多くの価値を引き出せるのです。
こう説いているのは私たちだけではありません。
先ごろ私たちはAutomotive Design and Production誌とウェビナー(ウェブセミナー)を開催し、多くの方々にご参加いただきました。そこで私たちは複数の自動車サプライヤーやメーカーへの導入事例を発表しました。コボット導入の詳しい方法やコボットの能力、強みを、投資利益率計算と併せてお話したのですが、より鮮明にイメージしていただくために自動車産業での応用例を少しご紹介しましょう。
グループPSAは「未来の工場」計画にURロボットを採用
グループPSA はシトロエン、DS、プジョー、ボクスホール、オペルなどのブランドを抱えるヨーロッパ第2の自動車メーカーです。グループPSAは同社の「未来の工場」計画の一環としてパフォーマンス改善、作業員のエルゴノミクス向上、生産コスト削減を目指し、UR10ロボットを可動式プラットフォームに搭載した組立てラインを開発しました。このラインのプログラミングにかかった期間はわずか1ヶ月。成果は驚異的なものでした。
・1年目に車両20万台を生産
・不良品報告件数ゼロ
・幾何公差設計(GD&T)が10%改善
・大幅なコスト削減
・作業員のエルゴノミクスが改善
・国内外で特許を複数申請
All Axis Machiningはレガシー設備の性能向上を実現
All Axis Machining社は手作業を行う労働力の不足に悩むと同時に、レガシー設備を自動化したくても従来の産業用ロボットには直接使えるインターフェースがないという課題を抱えていました。ロボティクス知識のあるスタッフがいない同社ですが、URロボットは容易に実装できることに驚きました。今ではCNCマシンテンディング、研磨、バリ取り、部品検査、レーザーマーキング、ワイヤ放電加工の自動作業で複数のロボットが24時間活躍しています。All Axis Machiningはこの試みで大成功をおさめ、短期間で成果を挙げた後、他の機械加工会社の自動化を支援する姉妹事業も立ち上げました。
・最初に自動化した作業は2ヶ月半早く完了し、60%の増益
・ロボットの投資回収期間は4ヶ月
・スピンドルのアップタイムが1日8時間から20時間に拡大
・精度と品質が向上
BMWは作業員の安全向上と品質改善を実現
サウスカロライナ州スパータンバーグにあるBMWの工場では、エルゴノミクス上望ましくない反復作業を行う作業員の安全性向上措置としてURロボットを使っています。例えば、UR10はドアパネルの周囲に接着ビードを一定の圧力で押し付ける作業を行い、精度向上ややり直し削減に役立っています。また反復性運動傷害の原因となっていた、固いゴムプラグを車台に入れるといった作業も行います。
競争力を高めたTribar Manufacturing
Tribar Manufacturing社は新技術を用いた装飾バッジ製造で急成長を遂げているTier1ですが、労働力不足に悩んでいました。ここでのUR製品の用途には、ビジョンカメラを使った品質検査を伴う車両部品へのプライマー塗布、車両バッジのゲート除去などがあります。設置とプログラミングは社内で行い、投資は9ヶ月足らずで回収できました。
以下の結果がすべてを物語っています。
・プライマー塗布
・100%完璧な品質
・手動に比べ化学物質(薬品)の過剰塗布を削減
・作業員を化学物質に晒される危険から解放
・ゲート除去
・サイクルタイムが50%以下に短縮
・品質と精度が向上
・手および腕の障害リスクがゼロに
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