手の届くところにあるロボット

製造業自動化が作業現場の怪我を減らし、意欲を上げる

作成者: Universal Robots|2019/10/10 2:13:08

 

 今日製造業が抱える主な課題の1つに、空きポストを埋める人材の不足とそれに伴う生産性全体の低下および成長の阻害が挙げられます。最近の報道と調査によると、製造業の経営者が現在直面している一番の問題は、以前と変わらず熟練技術者の確保だといいます。この状況は当面解決しそうにありません。そしてデロイトとManufacturing Instituteが行った技能不足に関する最新の研究によると、今後10年の間に製造業で生じる460万件の求人の半数以上で、人材調達ができないだろうと予想されています。

 こうした課題に加え、製造業は作業現場での怪我にまつわる膨大な費用という問題も抱えています。2018年には製造業で働く115500人、および倉庫で働く17000人が怪我のために欠勤し、直接間接に費用がかかりました。後者では直接費用の20倍の費用が発生しました。

 作業現場での怪我および死亡による損失日数は2017年には1400万日分に上りました。さらにアメリカ企業は労働者補償保険に年間950億ドルを支払いました。こうした国レベルの数字をNSCが事故1件あたりに換算したところ、2017年の作業現場での怪我にかかる直接および間接費用の平均額は39000ドルで労災による死亡にかかる費用の平均額は115万ドルでした。熟練労働者の確保を阻む人手不足の中、これらの数字が示すものは「作業現場での怪我は製造業にとって財務的にも業務上も甚大な被害をもたらす」という結論です。

 製造業の人手不足を解消し、汚く危険で単調な仕事から労働者を解放する実績ある方法の1つ、それがロボットや協働ロボットを含む自動化の導入です。

製造業の職場の安全性ー従業員の安全確保により可能性も確保される

怪我の原因トップ5

怪我の原因は環境と行動にある

3%その他、6%有害物質との接触、8%反復動作、19%滑った、つまずいた、転倒した、

24%過度な労作、40%物との接触

怪我の総件数ー114,327件

事業所を訪れる来訪者、顧客、ベンダー、元請業者、下請業者に危害が及ぶ可能性があります。

テキサス州の航空産業向け整備会社Aircraft Tooling社では、UR10が粉末金属とプラズマの溶射作業を代行するようになりました。人間のオペレーターが行うには汚れやすく危険も伴う作業です。同社はUniversal Robots製品が高温になる過酷な環境にも耐えることに驚きました。

 

自動化:安全な解決策

 協働ロボット(コボット)は重大な怪我のリスクなしで人間と一緒に作業できます。協働ロボットはより人に近い方法で、人と同じようなペースで作動し、人の作業員と同程度の重量物を持ち上げることができます。一方、産業用ロボットはより重く大型で通常より速く動くため、保護具なしでは人間の作業員に甚大な危険が及び、そのため柵などの安全対策が必要になります。その点協働ロボットなら作業員の安全を確保でき、従来のロボットや生産機器では対応できなかった用途にも使えます。

プレスブレーキの前に安全柵を設置するスペースがなかったカナダの棚メーカーEtalex社では、人が頻繁に行き交う場所でピックアンドプレース作業を安全に行えるユーザーフレンドリーかつ柔軟性のあるロボットを必要としていました。この難題に挑んだのがUR10です。Etalexの機械オペレーターRichard Clive氏はUR10のおかげで職場の「安全性が100%増した」と力説します。「以前は手をブレーキプレスの近くに置かなければなりませんでした。いつ事故があってもおかしくない状況でした。Universal Robotsのおかげで皆、怪我のリスクを負わずに済むようになりました」

 

 エンジニア級のプログラミング能力を要した旧来のロボットとは異なり、協働ロボットはスマートフォンを使ったことのある人なら誰でも馴染みのあるような人・マシンインターフェース(HMI)で簡単にプログラミングができるよう設計されています。こうしたインターフェースや機能により正式にプログラミングやロボット工学を学ぶ必要性がなくなり、協働ロボットを使うために必要な技能や学習が極限まで小さくなりました。これにより1つの協働ロボットを様々な用途に使う際も時間、労力、費用が大幅に削減できます。協働ロボットに柔軟性があれば投資回収期間が大幅に短縮されます。

台湾の射出成形メーカーBTC Mold社では、URの協働ロボットにより労災リスクが低減され、従業員にとってより安心安全な職場が実現しました。それ以前は作業員が手動で、繰り返し前かがみになり靴べらを箱詰めしていました。こうした作業を含むエルゴノミクス上好ましくない多くの仕事も今では協働ロボットが代わりに行っています。

 

 協働ロボットにより作業員の時間が空くことで短期間での投資回収が可能になります。作業員はより生産性の高い作業に挑戦できるようになり、ひいては新時代の製造業に必要なスキルが獲得できるようになります。生産性を向上し安全設計を備えた協働ロボットソリューションという新たな自動化技術は、製造業の作業環境で一般的な怪我の原因を最大72%削減することができます。その上、協働ロボットは疲れたり病気になったりすることもありません。言われたことを文句も言わず-毎回の安全点検も含め-必ず実行します。そしてマシンテンディングや溶接、組立てなどの反復的で危険を伴うこともある作業からも影響を受けません。生産性や品質の向上と安全な作業環境を両立させる協働ロボットは今日の、そして将来の製造業における人手不足解消に向けた重要な解決策の1つになるでしょう。